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京都アンテルームでの<もじゅうりょくツアー>にあわせて、
<もじゅうりょくのモビール>オンラインエキシビションがオープンしています。

ムービー、メイキング、そしてスペシャルコンテンツとして
ovaqe謹製スクリーンセーバーがダウンロードできます!

オンラインエキシビションのサイト制作はみやっちこと宮崎信人くん。大感謝です。

もともとこの<もじゅうりょくのモビール>シリーズは、
空間でのインスタレーションと同時に、PC、タブレット、スマートフォンなどの
ディスプレイでの閲覧を前提に制作していました。

スクリーンセーバーやムービーをダウンロードして、
現在開催中のアンテルームでの展示とあわせて、
ぜひお手元のデバイスでも<もじゅうりょくツアー>をお楽しみください。

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<もじゅうりょくのモビール>オンラインエキシビション
#264
December28, 2012
Tag: 展示

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大原大次郎 <もじゅうりょくツアー>

3年ぶりに個展を行います。
個展というより、ツアーです。

写真家・平野太呂さんの運営するNo.12 Garellyでの初個展以降のここ数年の自主プロジェクトは、個人の制作よりも共同でのワークショップを中心に展開してきました。

作家性の濃度を高めるのではなく、共同制作と参加者からのフィードバックを積み重ねることで見えてくるもの。プロセスの中で発生するノイズをひとつひとつ拾い集めることで見えてくるもの。これらの景色は、僕個人の制作では到底たどり着けないパースペクティブを持っています。

しかし、これらのワークショップの中でも課題は多く残ります。その課題と向き合うために、継続性を持たせた中で共同できるチームを組織したく、omommaの基礎過程を募集しました。

今回はその基礎過程チームとともに京都に入り、三年前の個展以降の数年間で制作したもの、特に今年の夏に平野甲賀さん、鳥海修さんと行った「モジもじ文字」に出展した<もじゅうりょく>シリーズを中心に据えて、一週間滞在制作を行います。

今回のツアーは、ovaqeの松倉早星さんと、UMA / design farmの原田祐馬くんが企画発案し、キュレーションしてくれています。ここ数年、自分が(勝手に)何度も関西周辺を訪れ、インタビューし、仕事を共有し、交流を重ねていくなかで生まれた企画です。この展開に心から感謝しています。

宣伝美術は原田祐馬くんにお願いしました。デザイナーがデザイナーに発注するということ。依頼する側のわくわくと難しさに向き合うことができました。
その祐馬くんの回答。<もじゅうりょく>をこんなふうに解釈してくれて本当に光栄です。どうもありがとう。

<もじゅうりょくツアー>の制作過程は、Twitterでも実況していきます。ドタバタ感も含めて、お楽しみください。
さらに、展示オープンに合わせて、「もじゅうりょくのモビール」のオンラインエキシビションもオープン予定です。もともと、空間でのインスタレーションとともに、タブレットPCやスマートフォンのディスプレイでの展開を考えていたシリーズなので、とても楽しみです。

今回の<もじゅうりょくツアー>は、僕らにとってのツアーでもあり、みなさんを<もじゅうりょく>の世界にいざなうツアーでもあります。

ぜひお越しいただけると幸いです。

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<もじゅうりょくツアー>のステートメント

いつもと違う方法で文字を書いてみる。
まずは道具を変えてみる。例えば鉛筆を筆に変えてみる、木に彫ってみる、拾い物にインクをつけてスタンプのような要領で書いてみるなど。
次に、環境を変えてみる。柔らかい絨毯の上やアスファルトの上に紙を置いて書いてみる、海に潜って書いてみる、広場に行って自転車の軌跡で、暗い場所で光の軌跡で書いてみるなど。
さらに、書字の方法を変えてみる。目をつぶって書く、利き手と逆で書いてみる、鏡文字で書いてみる、目隠しをして、別の人からの指示だけで書いてみる…。

不思議なことに、いつもとは大きく違う道具や環境や方法で書いたにもかかわらず、できあがる文字はどことなく自分の普段の字に近い。偶然性をまとい ながら、一見無意識に引かれた線にも「癖の母体」が存在する。
慣れた材料や環境や方法を制限されて制限されて残った薄皮一枚のような部分に、人それぞれの型が残る。

既存の風景から文字の原型を探るフィールドワーク<文字採集>。シャッフルされた言葉の紙片に自分の言葉を足し、さまざまな手法で記述する言葉あそび<文字くじ>。海の漂流物や廃品など、普段文具として扱われていない物体を記述用具として再開拓する<オモンマ文具店>、デッキに彫られた文字を、身体的なアプローチや環境要因によって変化させていくスケートボード彫刻<文字に乗る>など、ここ数年のトライアルは、文字の造形や表面的な形象の詰めではな く、記述する際の身体性や知覚の立ち上がり、個人に宿る潜在的な型を意識化していく行為である。

2012年夏に、平野甲賀、鳥海修とともに行った展覧会『モジもじ文字』にて、<もじゅうりょく>シリーズを出展。
<もじゅうりょく>は、文字、重力、モジュールを掛け合わせた造語。
この<もじゅうりょく>を軸に、モビールのタイポグラフィシリーズ<もじゅうりょくのモビール>、建築図面を再構成し「組版」した青焼きのプリントシリー ズ<もじゅうりょくのモジュール>、写真家・ホンマタカシの写真と、ロッククライミングの記譜をもとに字母を探り記述したドローイングシリーズ「稜線」を制作。

今回の京都HOTEL ANTEROOMでの個展は、写真家・平野太呂の運営するNo.12 Garellyでの初個展から三年ぶり、東京以外での展示は初となる。個人の制作のほか、共同でのワークショップで蓄積された書字の行為、言葉と文字の知覚と、さらなる課題。

今回はそれらを引き連れて<もじゅうりょく>の世界へといざなう、初めてのツアーとなる。

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大原大次郎 <もじゅうりょくツアー>

展示期間
2012年12月15日(土) - 1月14日(月・祝)
会場
HOTEL ANTEROOM KYOTO
〒601-8044 京都府京都市南区東九条明田町7番

地図



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大原大次郎 <もじゅうりょくツアー>
#263
December8, 2012
Tag: 展示