3月2日に、星野源くんのファーストシングル「くだらないの中に」が発売となりました。
こちらのジャケットデザイン担当させていただきました。
初回限定盤はドキュメンタリーやMVなどを60分(!)の番組に収めたDVDつき。
シングルとは思えない大満足盤となっております。
写真は
荒井俊哉さん。
やり取りの中で、シビレる言葉をたくさんいただいた。
撮影は、モノクロのメインカットは4×5判、インナーのカラー写真は35mm。
最近では、アナログ撮影の仕事はどんどん貴重なものになってきている。
荒井さんが、レンズを指して「時間をかけて育てている」と言っていたのがとても印象的だった。修理に出した際などには、長年「育ててきた」カビなど、そのレンズにしか出せない味の部分を一掃されないように注意するそうだ。
ピアノやバイオリンのような楽器や、大工さんの使うカンナや書家が使う筆など、もちろん新品に越したことはないのだけど、すべてをクリンナップしたり、デジタル化したり、その他モロモロ高スペックの新品同様状態で臨むことが必ずしもベストではない道具や仕事がある。
これらがノイジーで解像度の低い仕事であるかというと、まったくそんなことはなくて、むしろ使っている本人にとっては、(または使われている道具としては)研ぎすまされた状態であって、人と道具が時間をかけてお互いを育て合うことで、出てくる仕事そのものにも同様のエッジが自然に際立っていくのだと思う。
ただ、これは「やっぱアナログっしょ!」ということが言いたいんじゃなくて、使い込んだアプリケーションや、フォントや、キーボードやマウスなんかのデジタルガジェットにも平気で育ち要素が宿っているとも思っています。
今回の撮影は、そういう意味でとても幸福な道具と人に囲まれた、贅沢な時間でした。
源くんの音楽とともに、ゆっくり味わっていただけると幸いです。