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357c350c原田祐馬(UMA / design farm)くんと出会ったのは、2010年のこと。
その年、僕は地方や海外で活動するデザイナーや美術家、写真家、音楽家などを訪ね、個人的なインタビューをして回るフィールドワークを行っていました。

その中で出会った祐馬くんや、DESIGNEAST実行メンバーでもある多田智美さん、柳原照弘さん、水野大二郎さんたちとの交流は、いつも喜びと発見に満ちあふれたものでした。
しかし同時に、毎回不意打ちでビンタされたような痛みが必ず残る経験でもあり、これに対してどう行動を取るかが、以降の仕事、自主プロジェクト、生活などすべてにおける自分自身の課題でもありました。この残響は今でも続いてるし、会うたびに更新されていきます。

2011年に12月に発売された『アイデア』No.350内の記事「原田祐馬と関西の状況」では、その興奮と残響のさなかで聞き手となり、祐馬くん、多田さん、ovaqeの松倉早星さんに関西で起きているデザインをめぐる状況をお聞きしました。

この記事がきっかけとなり、『アイデア』誌上にて祐馬くんが毎回異なるデザイナーと対話する「デザインの辺縁」という連載が始まります。第一回(No.351)は尾原史和さん、第二回(No.352)は高田唯さん、第三回(No.353)太刀川栄輔さん、第四回(No.354)佐藤直樹さん、第五回(No.356)は加藤賢策さん。(すべての回の構成・文は多田智美さん)。

一年間の連載を経て、現在発売中の『アイデア』( No.357 : 紙上の建築──日本における建築メディアの現在とその変遷)掲載の最終回にて、もう一度祐馬くんと対話することができました。

京都の「もじゅうりょくツアー」の会場となったANTEROOMにて、じっくり9時間。デザイナーが展覧会を行う意義、日常を共有することで生まれる力、仕事と向き合う姿勢、これまでのこと、今のこと、これからのこと、そして「辺縁」について。
どれも日々取り組み続けている課題だけど、一年前の対話とは明らかに内容も充実度も変わっていました。

そして、<omommaの基礎過程>として、ここ最近事務所に加わったメンバーが、どれだけ重要な関わり方をしているのかも対話の中で際立っていきました。僕らはどんな動きをしているのか、どう見られているのか、どこへ向かっているのか。そのあたりも初めて言語化されています。

できるだけたくさんの人と、身近な友人たちに届けたい大切な記事になっています。ぜひご覧いたければ幸いです。

祐馬くん、多田さん、担当編集の久保さん、本当にどうもありがとうございました。


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「デザインの辺縁」のこと
#267
Feburary10, 2013
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