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#106 STUDIO VOICE 2009 FEB "NEW MEDIA HORIZONS"Issue ART WORK process.

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0902bピースとファックでSHARE YOU!!ということで、
前号でお知らせしました、STUDIO VOICE2月号に掲載されている
アートワークと、制作過程をお届けします!
自分もTumblr、ニコ動、Flickr、FFFFOUND!などなど、
膨大にポストされた動画や画像を、ブックマーク、follow、コメント、
Tag付け…などでSHAREするwebサービスは大好物です。
自分の仕事自体にも密接に関係する事ですが、個人的な意見としては、
web上でのクリエイティブ/アイデア共有賛成です。

賛成というか、かなり大ざっぱな言い方ですが、デザイン(特にグラフィック)は
それが高価なものでも無料のものでも、作家性が高いものでも匿名のものでも、
最終的にはそのアイデアやツールがより多くの人に共有されて、
たくさんの体験を生み出せるものほど粋!と思っています。
日々使っている「文字」なんかは、万人が共有できる
コミュニケーションデザインの究極ですし。
(ただし、web共有の拡大でCDや本が売れなくなりつつあることでの、
そこに関わる人々の職業、職能の変化や危機感などに関しては、
本誌特集に詳しかったので割愛します。…まったく他人事ではなしっ!!)

文字が何世紀もかけてアップデートしてきたようなSHAREの実験が、
全世界規模で日々更新されているさまは、
見ているだけで楽しいってところもありますが、
アップされている動画や画像そのものより、
それがどう共有されて、アイデアが流通しているのかを見ることが、
やはりとても興味深いです。

ただ、文字やグラフィックなど、手づかみしにくいものを
さらに手でつかめないweb空間でSHAREするだけではもったいないし、
カタルシス的な体験度もやはりリアルとは別物なので、
一回性の固有体験、触覚的、土着的な部分などは、
今後さらに強化していきたいと、あらためて強く思っています。

以下『柳宗悦 手としての人間』伊藤徹(平凡社)より抜粋
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すなわち東西を問わず古代の文学は、明らかに口承伝承と結びつき、
多大な努力と才能とを、正確な「複製」に費やしてきた。
そうした無心の模倣が文学の大地を豊穣にしたのであって、先行する詩歌を真似しながら、
歌人たちは、言葉の祖形を超えて別なかたちを生み出していったのではなかったか。
私たちに伝えられている短歌や俳句は今なお、古来の反復の歴史のなかで生じてきた、
夥しい数の類想句や類型句の海のなかに生きている。
そのような海においては、創作などというのは、ごくわずかな波立ちであって、
あらかたが窮地の歌を口ずさみ、楽しむような共有化の作業であり、
月並みで凡庸な真似の累積であるといってまちがいなかろう。
けれども、そのように目印もなく一様な海から繰り返し寄せてくる波が、
ときとして見たこともない貝殻を浜辺に残すことも、ありえない話ではないのである。

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