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11月6日から1週間、バンコクとチェンマイへ行って参りました。
もともとタイは大好きな国なのですが、初めて訪れたチェンマイは、
人や雰囲気や食べ物や、今回ご紹介する看板、
印刷物などのデザイン細部にいたるまで、
本当に発見と刺激の多い、素晴らしい場所でした。

是非また行きたい!と願いながら、
数号に渡ってチェンマイで見つけた素敵な文字、看板などのデザインを
ご紹介していきたいと思います。
文字のフォルムや色使いはもちろん、
たたずまいや素材、掲示方法などにも是非ご注目ください〜!

まずはこちらから。
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文字の強さだけで見せる、潔ぎ良すぎの良看板。
上下を深緑文字、次の上下でピンク帯白抜き文字、
真ん中に1ラインだけ入るオレンジ文字!!
たまらないです。
さらに注目したいのは釘!
厚紙を釘でコンクリにブっ刺しスタイル!
文字の力強さと、サバービアコンクリを貫く釘とが、
バツグンの相性で、看板の訴求力をより一層引き立てております。

続いて、木を利用した看板をいくつか。
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↑左の上下2枚は木に直描きスタイル、右は生木に直貼りスタイル!!
貼られた紙の、枝をよけているかのような折れ加減が最高。

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↑木彫スタイル。
筆記体の方は見慣れない文字形状ですが、タイの文字を崩したものなのでしょうか…?
重心の取り方が素晴らしいです。

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↑市内の寺院にて。
まとまりのあるかわいらしい文字とレイアウト、掲示方法のバリエーションなど、
作者の一貫したビジョンおよび愛情が、随所に見て取れます。
(同じ作者と思われる看板が、このほかに十数バージョンあり)

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↑まったくHIGH SPEED感のない、インターネットカフェの看板。
意図的とすら思えるような、スクラッチ感。
なぜ「RNET」部分は朽ちていないのか?など、謎は深まるばかり。

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Good Textures

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Good退色

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↑マーカー描き3種。中央は、ホワイトボードに直描き2C。

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↑ステンシル、石彫、セメント篆刻、スクリーンプリント…

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↑一文字が、ほぼ一筆書きにできるタイの文字だからあり得るロープ文字。
アルファベットでも可能だけど、ひらがなや漢字だと、重なる辺や画数の問題で
かなり無理がありそう…。
タイの文字、記号っぽくもありながら、かなり有機的というか、植物っぽいですね。
デザインするのが楽しそうです。

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最後に心温まる逸品を。
「ハミ出たら画面を足せばいいじゃないか!」スタイルです。

下書きなどぜずに、無心に画面に向かうペインター道と、
ハミ出てしまった部分のベニヤを切り出し、白で下塗りし、点を書き足し、
インフォメーションを成立させる、繊細なデザイナー道の両極面を感じ取れる良作です。

森と一体化しつつある、この看板が内包する情報量の多さに畏敬の念を抱きながら、
次号へ!!

#011 /// 2007.11.20 /// tag:少年タイポ ///
少年タイポ in チェンマイ「体力のある文字 a.k.a Thaipography」編