s01
s02

79161D+6Jw39PL._SL500_AA300b坂口恭平君がPOPEYE誌上にて連載中の『坂口恭平の服飾考現学』にて、挿絵を描かせていただきました。

こちらは、毎回坂口君がテキストとイラストを書いているのですが、坂口君が体調不良のため、昨年11月号は水道橋博士さん、現在発売中の3月号は建築家の藤村龍至さんがそれぞれテキストを代筆しており、そちらの挿絵を書かせていただいています。

挿絵を描きながら、「代筆」ってとても面白いなと思いました。
アノニマスな方向を目指すのではなく、あくまで誰かの代わりに、意思や意図や、ひょっとしたら筆跡なども受け継いで、書く。
そこには主人の存在の影が、ほのかに(またはあからさまに)漂う。

代筆の文化についてまとめられている文献ってあるんでしょうか。
今回の水道橋博士さん、藤村龍至さんの場合はそれぞれのお名前を出しての代筆ですが、いわゆる匿名のゴーストライターについてなど。

テキストにおけるプロフェッショナルなゴーストライティング、マンガやイラストの代筆、師匠の制作物のタッチ、ムード、または生き方まで代筆するアシスタントや弟子の存在まで。
単純なモノマネとも違うその役割、成果物、文化(というかそうせざるを得なかった状況など含め)など、まとめて研究してみたい。本人のテキストと比較してみたり。どのあたりに癖や個性が乗ってくるのか。どのように本人らしさを表現しているのか。

そう考えると、自分の仕事であるグラフィックデザインも「代筆」の要素が大きくある。誰かの意思や意図を汲み取りながら、存在の影とコミットしながら書き、描き、画する。

そんな代筆屋という存在への敬意と親近感を感じながら、坂口総理のイラストを代筆せていただきました。
このような形で水道橋博士と藤村龍至さんとお仕事できたことも、とても嬉しかったです。
ぜひご覧ください。


- -


坂口恭平「坂口恭平の服飾考現学」挿絵
#266
Feburary9, 2013
Tag:2013works